ISO自己適合宣言という選択
2016年04月04日
ISO9001やISO14001の普及率は減少傾向にあり、むしろ認証自体を返上する企業が増えています。
特に建設業において。
前に少し書きましたが、建設業の場合、入札の参加資格要件になるとか、評点が上がるとかっていう理由で挙って認証する企業が急増しました。
要は「認証=資格」と捉えてた訳ですが、その全てが悪いとは私は思いません。
だって、企業も生き残りをかけて、その時々に応じてあの手この手の策を講じるのはごく自然な姿だからです。
認証を返上する理由として代表的なのは、
■毎年1回ないし2回の定期審査で莫大な費用が発生する(コンサルも含めて)。
■余分な仕事ばかり増えて、本来すべき業務が阻害される。
■認証自体にあまり魅力を感じない(認証によるイメージの向上に繋がらない)
経営者にとってみれば、経営戦略を企てる上でこれもまた大切な動機の一つではあります。

海外との取引上問題がある場合や、元請から求められる場合を除けば、余程の事がない限り、認証は武器にはなりません。
※誤解が無いように言っておきますが、ISO導入の一番の武器は、その企業のマネジメントシステムの確立と活性化です。
さて、私自身、実は2000年版ISO9001が発行される以前から感じてたことですが、
なぜ認証じゃなきゃならないの?
自分たちでISOの要求事項に適合/準拠した仕組を作り上げていることを宣言すれば良いんじゃないの?
って事です。
なんてことをずっと感じてた訳ですが、何と近年そういう動きが増えてます。
まず、ISO10002 「品質マネジメント-顧客満足-組織における苦情対応のための指針」 をよく読んでみると、、
JIS Q 9001は,組織内での適用,認証又は契約の目的で使用することのできる品質マネジメントシステムの要求事項を規定している。この規格で規定する苦情対応についてのプロセスは,品質マネジメントシステムの一要素として用いることができる。
この規格は,認証又は契約の目的での使用を意図したものではない。
とあります。
認証を選択しないで適合性を示す場合は、一般的に自己適合宣言を選択できます。
もちろん自己責任が伴うわけですが、これもまたISOを企業に採用するための一つの選択肢であり、規格要求事項に沿ってマネジメントシステムが確立されている限り、何ら問題ありません。
この自己適合宣言の方法は様々ですが、正当な方法として、この場合外してはならない事項もあります。
これはISO17050に規定されてます。
6. 適合宣言書の内容
6.1適合宣言の発行者は,適合宣言の受領者が次の事項を識別するのに十分な情報を,適合宣言書が含んでいることを確実にしなければならない。
− 適合宣言の発行者
− 宣言の対象
− 適合を宣言する根拠とした規格又は他の規定要求事項
− 適合宣言の発行者を代表する署名者又は代理署名者
適合宣言書は,少なくとも次の事項を含まなければならない。
a)適合宣言の固有の識別
b)適合宣言の発行者の名称及び連絡先住所
c)適合宣言の対象の識別(例えば,製品の名称,型式,製造日又はモデル番号,及びプロセス,マネジメントシステム,人又は機関の説明,及び/又はその他の関連する補足情報)
d)適合の表明
e)規格又は他の規定要求事項,及び要求事項に選択肢がある場合に採用した選択肢の完全,かつ,明確な一覧表
f)適合宣言の発行日及び発行場所
g)発行者から権限を与えられた者の署名[又は同等の確認の印(しるし),氏名及び役職名
h)適合宣言の有効性に関する何らかの制限事項...以降まだまだ続く
簡単に言えば、方法としては基本的に第一者監査(自社の内部監査)、または第三者監査(外部による審査)により適合性を確認し自己宣言するわけです。
つまりは内部監査にて適合性を確認できれば自己適合宣言して良いことになります。
また、最近このような自己適合宣言を選択する企業も増えてきているようですが、第一者監査のみでは適合性を担保するに不十分と考える企業もあり、そのような企業のために「第三者意見書」を発行する団体もあります。
どちらを選択しても、現在の認証機関による審査と比べ格段に費用が圧縮されます。
具体的な自己適合宣言の方法については、インターネットで検索すれば色々出てきますよ。
ただ、勘違いしないで欲しいのは、マネジメントシステムの適合性や有効性を第一に考えるべきであって、単に費用圧縮だけの問題で選択するのは完全に間違っています。
適合性を自社で確認できない・又は出来る自信がない場合は、ある程度成熟するまでは第三者認証を選択するのが賢明です。
(でも、認証のための取得にならないでね。)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
標準化普及委員会 委員長 牛丸英志
ISO自己適合宣言もお任せ^^
HACCP、ISO22000、ISO9001:2015、ISO14001:2015
ISO22301、ISO50001の支援を行っています。
お問い合わせは、本ブログ右側メニューの「オーナーへメール」
からメールにてお願いいたします。
12時間以内に折り返しいたします。
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特に建設業において。
前に少し書きましたが、建設業の場合、入札の参加資格要件になるとか、評点が上がるとかっていう理由で挙って認証する企業が急増しました。
要は「認証=資格」と捉えてた訳ですが、その全てが悪いとは私は思いません。
だって、企業も生き残りをかけて、その時々に応じてあの手この手の策を講じるのはごく自然な姿だからです。
認証を返上する理由として代表的なのは、
■毎年1回ないし2回の定期審査で莫大な費用が発生する(コンサルも含めて)。
■余分な仕事ばかり増えて、本来すべき業務が阻害される。
■認証自体にあまり魅力を感じない(認証によるイメージの向上に繋がらない)
経営者にとってみれば、経営戦略を企てる上でこれもまた大切な動機の一つではあります。

海外との取引上問題がある場合や、元請から求められる場合を除けば、余程の事がない限り、認証は武器にはなりません。
※誤解が無いように言っておきますが、ISO導入の一番の武器は、その企業のマネジメントシステムの確立と活性化です。
さて、私自身、実は2000年版ISO9001が発行される以前から感じてたことですが、
なぜ認証じゃなきゃならないの?
自分たちでISOの要求事項に適合/準拠した仕組を作り上げていることを宣言すれば良いんじゃないの?
って事です。
なんてことをずっと感じてた訳ですが、何と近年そういう動きが増えてます。
まず、ISO10002 「品質マネジメント-顧客満足-組織における苦情対応のための指針」 をよく読んでみると、、
JIS Q 9001は,組織内での適用,認証又は契約の目的で使用することのできる品質マネジメントシステムの要求事項を規定している。この規格で規定する苦情対応についてのプロセスは,品質マネジメントシステムの一要素として用いることができる。
この規格は,認証又は契約の目的での使用を意図したものではない。
とあります。
認証を選択しないで適合性を示す場合は、一般的に自己適合宣言を選択できます。
もちろん自己責任が伴うわけですが、これもまたISOを企業に採用するための一つの選択肢であり、規格要求事項に沿ってマネジメントシステムが確立されている限り、何ら問題ありません。
この自己適合宣言の方法は様々ですが、正当な方法として、この場合外してはならない事項もあります。
これはISO17050に規定されてます。
6. 適合宣言書の内容
6.1適合宣言の発行者は,適合宣言の受領者が次の事項を識別するのに十分な情報を,適合宣言書が含んでいることを確実にしなければならない。
− 適合宣言の発行者
− 宣言の対象
− 適合を宣言する根拠とした規格又は他の規定要求事項
− 適合宣言の発行者を代表する署名者又は代理署名者
適合宣言書は,少なくとも次の事項を含まなければならない。
a)適合宣言の固有の識別
b)適合宣言の発行者の名称及び連絡先住所
c)適合宣言の対象の識別(例えば,製品の名称,型式,製造日又はモデル番号,及びプロセス,マネジメントシステム,人又は機関の説明,及び/又はその他の関連する補足情報)
d)適合の表明
e)規格又は他の規定要求事項,及び要求事項に選択肢がある場合に採用した選択肢の完全,かつ,明確な一覧表
f)適合宣言の発行日及び発行場所
g)発行者から権限を与えられた者の署名[又は同等の確認の印(しるし),氏名及び役職名
h)適合宣言の有効性に関する何らかの制限事項...以降まだまだ続く
簡単に言えば、方法としては基本的に第一者監査(自社の内部監査)、または第三者監査(外部による審査)により適合性を確認し自己宣言するわけです。
つまりは内部監査にて適合性を確認できれば自己適合宣言して良いことになります。
また、最近このような自己適合宣言を選択する企業も増えてきているようですが、第一者監査のみでは適合性を担保するに不十分と考える企業もあり、そのような企業のために「第三者意見書」を発行する団体もあります。
どちらを選択しても、現在の認証機関による審査と比べ格段に費用が圧縮されます。
具体的な自己適合宣言の方法については、インターネットで検索すれば色々出てきますよ。
ただ、勘違いしないで欲しいのは、マネジメントシステムの適合性や有効性を第一に考えるべきであって、単に費用圧縮だけの問題で選択するのは完全に間違っています。
適合性を自社で確認できない・又は出来る自信がない場合は、ある程度成熟するまでは第三者認証を選択するのが賢明です。
(でも、認証のための取得にならないでね。)
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